写真と芸術

ある写真家が、このようなことを言っていました。


「写真は事実らしさを装うことで、いくらでも嘘がつける。」


また、


「文字でも写真でも真剣に伝達の記号として使うことを考えれば、使う人間自身の"メンタリティ"、"問題意識"、"世界認識"が問題になる。


シャッターをきる以前のこの3つが総合され、自己のすべてが写真にあらわれ、写真の質を決定するのだ」


・・・と。


これは芸術的なソファー ベッドをつくるインテリア業界の職人さんにも言えることなのではないでしょうか。


話は変わりますが、以前出講していた大学でのことがあります。


新学期が始まると、夏休みはいつからだろうかと指折りをし、その休みが終わるとまたかと重い腰を上げていました。


4月の新学期には入りきれないほど教室が狭いのです。


いや、学生が多すぎる、というべきかもしれません。


おそらく、文部省に届けてある定員数をかなり水増しをし、非常勤講師と呼ぶ人々に支えられている私学の現状か、と思うと口をパクパクやるのがうんざりします。


しかし、それはそれとして引き受けたのだから、相手がやる気のない学生であろうがしゃべることはしゃべらねばならないのです。

植物は本当に重要なのか 9

彼女は、人間と植物とのかかわりに関心を寄せる植物民族学者です。


フルーレットの分析によれば、北タンザニアのシャンバー族の人々は、いろいろな方法で植物を食糧以外の目的で使用しているといいます。


これらの人々の生活様式は、西欧的な意味合いでは決して進んでいるとはいえませんが、工場製品を積極的に取り入れた生活が行なわれてもいます。


しかしそうであっても、その日々の生活様式は、「その土地が生む」たくさんの産物を抜きにしては成り立たないものです。


そのような産物は、生のままのものもあれば、商品として製されたものもあります。


シャンバー族が住んでいるのは、ウサンバラ山地の高地で、小さな村をつくったり、または住居集団のようなものをつくっています。


1940年代までは、この地域をおおう広大な森林は手つかずのようでした。


今日では、その森林はほんのわずかしか残っていず、わずかに残った森林さえ農地に転換させられようとしています。

植物は本当に重要なのか 8

西欧世界では、植物をどうとらえているかというと、食糧資源や観賞用というのが主なところです。


人によっては、木材からつくり出されるたくさんの産物を思い出すこともあるでしょう。


悲しいかな、我々の多くは大地と結びついた生活をしていないために、ダイニングルームのテーブルや木綿の衣服、薬、紙の原料が何であるかの知識を欠いていたり、忘れてしまっています。


これらの産物は生産過程でたくさんの手を経ているので、最終的な消費者はその原料についてほとんど知識を持ち合わせていないのがふつうです。


世界の他の地域では、人々は大地にもっと密着した生活をしていて、その生活が植物に依存していることは当たり前の認識になっています。


というわけで、こうした未開発地域に住む人々は、いやおうなく野生種の減少の問題に常に対処しなければならなくなっています。


このような植物依存の一例を知るには、アン・フルーレットが行なった研究を見るといいでしょう。


植物は本当に重要なのか 7

できるだけたくさんの、そうした保護地区の設置を望みながらも、一方で、現代の科学技術と人間の努力によって、いわゆる「箱舟」をつくれるのではないか、という思いがあります。


それは未来の世代のために絶滅の危機にある種を残してあげられるような「箱舟」です。


つまり、わたしは低温遺伝子バンクの設置のことを言っているのです。


大部分の種子や胞子は、低温遺伝子バンクに収蔵されることにより、何千年も冷凍保存でき、未来に解凍して発芽させることが可能です。


すでにいくつかの貯蔵バンクが存在していますが、この低温貯蔵技術のノウハウがほとんど利用されてこなかったのです。


低温遺伝子バンクの設置に際しては、たいした経費がかかるわけではなく、それほど熟練を必要とするわけでもありません。


それについてはまた次の機会に述べることになるでしょう。

植物は本当に重要なのか 6

現状況下で、いったいなにをなしうるでしょうか。


実際、ここまで進行した破壊の大きさを考えると、ほとんどなにもなしえないと思うのです。


この地球を本来のあるべき状態に戻すのは、人間の現在の能力を超えたことです。


多くの保護論者がそうしようと努力していますが、かなわないことなのです。


我々ができることは、科学技術が可能にした、いわば現代の箱舟をつくって、できるだけ多くの種を未来に残していくことです。


このような問題に対する最も明白な解決方法は保護地区を設けることで、そうすれぼ絶滅の危機にさらされている種を救えるでしょう。


しかし、保護地区をうまく機能させていくには、細心の管理がなされなければなりません。


このためには、その地域の生態を熟知しなければならず、たくさんのお金も必要とします。


残念なことに、世界のほとんどの国は(第三世界はとくにそうですが)そんなお金の余裕がありません。

植物は本当に重要なのか 5

種によっては、もともと希少なものもあり、決して大きな個体数で自然界に存在することはありませんが、それでもその個体数を維持して存在することができます。


そうでない場合は、人間の行為をはじめ尋常ならざる事態の現出によって希少になります。


このような場合、適切な方策が講じられないと、これらの種は危急種となってしまうでしょう。


野生では存在が知られなくなった生物は絶滅(EXTINCT)したとみなされます。


国際自然保護連合の定義では、野生下では絶滅しましたが、栽培下で残っているものも絶滅とみなしています。


著者らは、いくらかこの用語の意味を変えて使っており、絶滅という場合は完全に消滅しているとみなし、栽培下で存在する場合は、野生で絶滅(EXTINCT IN THE WILD)と表現しています。


存在が脅かされているという意味の「THREATENED」は、上述のいろいろな場合を表現するのに適宜用いられる広い意味の語です。


これらの用語と定義は、ここでは区別して用いられていることをあらかじめおことわりしておきます。

植物は本当に重要なのか 4

動物でも植物でも、絶滅に、いたるプロセスにあるものは、レッドデータブックに載せられます。


このレッドデータブックにはいろいろなレベルのものがあり、国家的あるいは国際的レベルで、保護論者によって出版されています。


こうしたレッドデータブックを手がけてきた元締め的な存在が、スイスにある国際自然保護連合(IUCN)です。


国際自然保護連合は、レッドデータブックの編集にあたり、絶滅プロセスの各段階を厳密に定義した用語を用いています。


すべての国が同じ用語を使っているわけではないですし、また、同じ意味合いでそれらの用語を使っているというわけでもありません。


ただ、次に掲げる用語は多くの国で使われているので、ここでも同様に用いることにしました。


危急(VULNERABLE)種とは、集団数が減少し、時いたればより深刻な危機的状況に陥りそうな種のことです。


絶滅危惧(ENDANGERRED)種は、集団が非常に縮小し絶滅する危険が著しい種のことです。


希少(RARE)種は、集団が2万個体以下からなる種のことです。


植物は本当に重要なのか 3

我々はこれまでに種を消滅させてきていますが、それは種が進化するスピードをはるかに超えています。


進化には、数千年、ときには数百万年もかかるのです。


いま起こっている破壊は、場合によってはここ数十年のできごとなのです。


自然界では、1つの種を構成する個体群はふつう数百万という数で存在しています。


しかし時として、個体の死滅する数が、生まれる数を凌駕してしまう場合もあります。


このようにしてまず個体数の減少が起こることで、絶滅にいたるプロセスが始まるのかもしれません。


もしその傾向が続けば、危機的状況が、個体群の崩壊する場所で現出するでしょう。


この状況をなんとかしなければ、その種は絶滅してしまいます。


保護論者は、このようなプロセスのいろいろな段階にある種を記述するのにたくさんの用語を使っています。


植物は本当に重要なのか 2

洪積世の間(200万年以上前)、世界はとても乾燥した気候の時期を経験しました。


そのときアマゾンは、レフュージアとして知られる7つの小さな残存林を見るだけとなってしまったのです。


しかし気候が変わって、再び森林は勢力を盛り返し、南アメリカの大部分をおおうようになりました。


もし、森林というものがそのように消長を繰り返すならば、今度だって心配することはないと思う人がいるかもしれません。


しかし、今回の場合は、今までと全然違うのです。


破壊し尽くされてしまうため、回復するチャンスがないのです。


昔は、いくら伐採されたといっても、また回復するに十分な森林面積が残されていました。


今度は、我々人類は、イナゴの大集団のように、眼前のすべてを貧ってしまっています。


新しい種が速く進化して、失われていく種にとって替わっていくのではないかという人がいます。


しかし、答えはノーなのです。

植物は本当に重要なのか

森林は人々にとって資源です。


だが、その資源を使い尽くしたとき、どうしようというのでしょうか。


たとえばエルサルバドルとニカラグアは、これといった森林を持たない国です。


政治的混乱がすでに存在し、そして増え続ける人口により物資の確保がますます困難になるにちがいないので、さらに事態は悪化するでしょう。


ニカラグアでは、森林破壊があまりにも急速に進んだので、主要な材木用の樹木であるマクロバセルティアはいまや地球上から姿を消そうとしています。


絶滅してしまうというのに、まだ科学的な分類さえされていないのです。


地中海地域を見てみましょう。


知れば驚くかもしれませんが、スペインやギリシアの石だらけの丘は、かつては森林におおわれていたのだ。


これらの森林はみんな薪として中世を通じて伐られてしまったのです。


あのアマゾンでさえ常に森林であったわけではないのです。

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