ドゥッチョの『マエスタ』
シエナ大聖堂の『マエスタ』はドゥッチョの代表作で、完成時にはシエナの市民たちがこの巨大な絵をかついでドゥッチョの工房から大聖堂へ運んだという。
横長の大画面に玉座の聖母子と諸聖人・天使を表したもので、背景を金地とする点や、聖母を他の人物たちより一段大きく表す点はビザンティン風だが、人物の人間的な表情や仕草、着衣のひだの自然な描写などにルネサンスへの歩みが感じ取れる。
この作品は裏面にキリストの受難の諸場面を表し、ピナクルやプレデッラにもさまざまな場面が描かれていたが、これらピナクルやプレデッラは分割されて、一部は他の美術館等の所蔵となっている。